お題に答えます

お題「ペットを紹介します」今日ブログ書こうとしたらさ 記事画面の上にお題がいっぱい並んでいて 開店前の美味しいパン屋さんに並ぶ人くらい並んでいて すごいな、って思ったのしかもさ「もっと見る」ってあるの え、まだあるの と思ってクリックしたらさ …

銃弾の代わりにてんとう虫を詰める

今日は安定している。安定しているというのは何もないってことで 何もないってことは DVDプレイヤーの早送りボタンを押されたような 視界の空気にノイズが走り、人々が尋常じゃないスピードで動く 無音の世界に放り出されたってことです。砂時計の砂がキラキ…

笑顔で明るい人が好きです

誰かと分かり合うなんてことは無理かもしれない。 一人で生きていかないといけないかもしれない。ドトールから出てカフェオレが残った口で そんなことを考えながら横断歩道の向こうを見ると ビルがあって、ビルというのはとても大きいなあ という当たり前の…

身分証の交換

シャボン玉の中に羊がいて キャンディのように病んでいる行き先のない切符は ポケットの中に 錠剤と一緒に眠っているもうだめかもしれないね しぬとかしなないとか いきるとかいきないとか どうでもいいんだけど大切なことと どうでもいいことの違いが もう…

にぎやかな長靴

コンタクトレンズをつけた猫が 飼い主の顔を見て怯えている。自動販売機に心電図をつけて 綾鷹が売り切れるの見ている。道徳の教科書みたいなクイズ番組で 誰も正解しないで司会者が 舌打ちをしているのを聞いている。雪から雨に変わるときの匂いが好きで 頭…

ベンチでもソファーでも椅子でもない

家の近くの空き地でジグソーパズルが3ピースほど地面に突き刺さっていて、どれも赤い模様がプリントされていたから、その地面の上で誰か殺されたんじゃないか、と思ったんだ。 でも実際は誰も殺されていなくて3人いた。3人というのは僕とタケルとジョジョン…

蝋燭も急がしいときは無口になる

外が薄暗いな 記憶も全て面倒くさいな 落ち着いて眠れた日は 数えるほどしかないけどクッキーのように焼いても 甘い匂いはしない 君のふりをしている 人間になれなかったら入口しかなかった 死は救いではない どんな聖人君子でも指を折り曲げる 一定のスピー…

昨日の部屋で線香花火がしおれている

骨がないみたいな歩き方するね と、君に言われたので メルカリで丈夫な骨が売ってないか探した。どこかの空き地を購入し ボロボロの船を置いて その中で生活して 雨粒が地面を叩く音を ずっと聞いていたい。「自分は幸せになる権利がある」というふうに思う…

生き方

昔見た映画家政婦が家の主人の死体を見て、 警察と協力しながら犯人をつきとめるのだけど 最終的に全ては家政婦の妄想でその家に家政婦すらいなくて その女はストーカーで 画面の向こうの観客を見つめて終わる映画テレビで再放送されず DVDもなっておらず 監…

ビルの屋上でおはよう、海底でさようなら

なんか知らないけどDAIGOが炎上しているらしいことを一ヶ月くらい前に小耳に挟んだのだけど、僕がYou Tubeを見ているとDAIGOが英会話を勧めている広告がいまでも沢山出てくる。炎上しているというのに英語学習を人に勧めている場合なんだろうか?と思うのだ…

度重なる色

ノコギリで真っ黒な夜空は分断されて 血液は蛇のように坂道をくだっていくブルーシートで覆い隠された死体のそばには 誰が置いたのか、ひまわりが添えられていて 四角く折りたたまれたメモ用紙には マジックで「鍋の蓋が気がかりです」と書かれている。 掘り…

9/17

電柱が傾いている 神がひざまずいた角度だ 赤い羽根を燃やしたリンゴは砂になった 退屈に耐えきれなくて 子供が病気になる人は生まれる前が幽霊で 死んだら数式になるドリンクバーは火薬の味 首に手をあてた 封筒が破れている月をポケットに メイリオのフォ…

砂糖の抜け殻

ヨーヨーみたいに宙に浮かび 物凄いスピードでぐるぐると 頭がシェイクされて偏差値35の問題も溶けないくらい 脳みそは凝り固まった鳥の骨の欠片みたいだって 君が赤ペン先生みたいに指摘するその横顔がサーターアンダーギーの表面みたいに 太陽に灼かれて焦…

千年後の風景画

フリスクの雨の影響でリニアモーターカーが遅れて サラリーマンのアイコンが 906号専用オープンチャットで 駅員にtoをつけて「さっさと動かせ」とキレている投稿に badのマークが桜の花びらが咲くように一斉につきはじめて 音量MAXにしていた僕のタブレット…

斜めに書かれた住所

地面に落ちてひっくり返ったセミが 足を動かして鳴き続けようとしているのは 最後の瞬間まで生き続けようと抗っているのかそれとも 「おはよう」とか「こんにちは」とか「こんばんは」とか 人に会うと自動で発せられる言葉のような ただの習慣や癖のようなも…

植物は天国の夢を見る

君の温度に値札がついていたころ 下駄箱に入っていた上履きは 左右がいつも逆でリノリウムの床に 叩きつけるように 上履きを落としたとき弾丸のような音は 肺を一気に貫いて 押し出された空気が固く閉じた唇の裏側に 突き放すように触れた。 生きることがし…

それできみは

言葉というのが自分の身体の延長線上にあって 肌をつねったりひっかいたりしたときに痛みが生じるように ただ生きている事実だけを形に残せたらどれほど良いだろう。無人島に漂流したときに何日経過したのかわかるように 木を削って彫りつけていく無数の☓の…

読書日記8/3

多和田葉子さんの「百年の散歩」というエッセイを読んでいる。 様々な町の通りを舞台にした旅行記のような短編集で 冒頭の「カント通り」を読んでいたら すぐ右隣で、ばさっと音がした。天使が羽根を広げたのかと思えば、そうではなく新聞だった。 という文…

現実の君は無罪だ

三人称日記に慣れてきたら次は裏日記をおすすめする。裏日記に書かれていることは全て本当ではないのだけど、まるで本当にように描かないといけない。嘘をつくこつは真実をベースにして2割,3割の嘘を混ぜることだ。たとえば君が朝、出勤するときに犬と通り過…

遠い空の雲の横顔.jpg

体がマックシェイクみたいにドロっとしていてだるくて 心がタピオカミルクティーに詰められたタピオカみたいに ぐにぐにしていて ひと思いに噛んだら潰れてしまいそうだ。仕事を無理やり終わらせて 水族館に行ってペンギンやアシカが 同じ場所をぐるぐる泳ぎ…

おにぎりセット

3時。本来なら眠りの世界の中にいて、運ばれてきた無意識をナイフとフォークで切り分け一口サイズの夢にして、その苦味をブニブニした食感と合わせて食べている頃だった。しかし火山が噴火するくらい力強い空腹が、薄っぺらい毛布にくるまって眠りの世界へ運…

三人称日記のススメ

よく宇宙人が地上に降り立ったときに 「我々は宇宙人だ」と地球人に言うようなイメージがある。勝手な偏見でしかないけれど きっと宇宙人はマッチングアプリでマッチした相手にも 「我々は宇宙人です」とメッセージを送り MEではなくWEということを訴えてく…

前田司郎『夏の水の半魚人』感想文

SNSを漂っていたら 「評価されないのでその正体を知りたい。誰か小説を読んでください」 という投稿を見かけて、その正体がわかれば苦労しないんだけどなあ と思いながら興味本位で読んでみたところ あっさりとその「正体」が見つかったことがある。その小説…

スケラッコ『バー・オクトパス』感想文

夜中におにぎりが食べたくなって 住んでいるマンションの外へ出た。僕の住んでいる場所はわりと都会で コンビニに行くまでの道のりにバーと スタジオがある。非常事態宣言が出ているので仕方ないのだけど 22時前だというのにバーは閉まっていて 「酒類提供し…

最果タヒ『もぐ』読書感想文

夏といえば夏休み。 夏休みといえば読書感想文。そんな単純な連想ゲームで、今日は読んでいて面白かったエッセイ 最果タヒの『もぐ』を紹介します。最果タヒというのは現代詩人です。 詩のほかにもエッセイや小説も書いています。今日紹介する『もぐ』は「食…

四方八方に飛び散った

太陽とか水星とか土星とか 宇宙にある惑星たちが TSUTAYAのDVDコーナーの隅っこにある ノンフィクション作品を集めた黒い棚で 埃を布団にして眠っている。そんなつまらない話を充電が切れかかった ブルートゥースイヤホンで聞いている。目的地に向かって歩い…

何を書こうかなと思うとき

太宰治が文章を書くコツのひとつとして 「好きな人に話しかけるように書くといいよ」 と言ったらしいので、だから僕も 恋多き死にたがりの文豪にあやかって 好きな人に向かって書くことにする。と、宣言したものはいいものの 正直に言うと 僕はいま何を書け…

小説を暗記する方法、またはなぜ小説を覚えるのか?

桜が見頃を迎えたというのに、ひたすら小説を暗記している。 芥川の蜜柑の全文はすっかり覚えてしまい、いまは梶井の檸檬を脳内へ入れ込んでいる。今回は小説の暗記方法について考えていきたい。 まず小説を覚える理由なのだが、これは退屈でどうしようもな…

ドアの下には階段が続いている話

ランドセルにノートや教科書を詰め込んでキャハキャハ言っていた馬鹿だったあの頃に、母親は週に3回か4回のペースでギャンブルに出かけていて、僕は一人で家の中にいることは当たり前のことして生活していた。今よりはるかに高い天井に見おろされながら、ソ…

走りタバコの時代に捧ぐ

最近はマナーの良い喫煙者が増えたと思う。このまえも4、5人の大学生グループが歩きタバコをしていた。それだけでもかなりマナーが良いというのに、大学生の一人が携帯灰皿を取り出したときは驚いた。ベンチに座っていたおばあちゃんもニコニコと微笑ましそ…