2019-01-01から1年間の記事一覧

小説を暗記する方法、またはなぜ小説を覚えるのか?

桜が見頃を迎えたというのに、ひたすら小説を暗記している。 芥川の蜜柑の全文はすっかり覚えてしまい、いまは梶井の檸檬を脳内へ入れ込んでいる。今回は小説の暗記方法について考えていきたい。 まず小説を覚える理由なのだが、これは退屈でどうしようもな…

ドアの下には階段が続いている話

ランドセルにノートや教科書を詰め込んでキャハキャハ言っていた馬鹿だったあの頃に、母親は週に3回か4回のペースでギャンブルに出かけていて、僕は一人で家の中にいることは当たり前のことして生活していた。今よりはるかに高い天井に見おろされながら、ソ…

走りタバコの時代に捧ぐ

最近はマナーの良い喫煙者が増えたと思う。このまえも4、5人の大学生グループが歩きタバコをしていた。それだけでもかなりマナーが良いというのに、大学生の一人が携帯灰皿を取り出したときは驚いた。ベンチに座っていたおばあちゃんもニコニコと微笑ましそ…

テストのような小説

数年前のこと、ちょうど読んでいた海外小説の著者が、来日してトークショーをやるということで見に行くことにした。 その頃の僕はバイトをしながら小説を書くという自堕落な生活を送っていて、一つでも間違えば小説すら書かない体たらくっぷりを披露していた…

電車に乗っている変わった人たち

現在の僕の通勤時間は2時間。電車には1時間半乗っている。それだけ乗っていると時々変わった人に遭遇する。ある日の電車の中、運良く座れた僕はスマホをいじりながら発車を待っていた。しかし運転間隔を調整しているようでなかなか発車しない。電車が遅延し…

がらくたたちよ怒りをおさえるな

ぼくはいま物凄く怒っているので、怒りを昇華させるために文章を書くことにする。世の中にはアンガーマネジメントという怒りを無理やり抑える方法があるけれど、あれは信用してはいけない。たとえば10の怒りがあったとして、如何なるどんな方法を使用したと…