テストのような小説

数年前のこと、ちょうど読んでいた海外小説の著者が、来日してトークショーをやるということで見に行くことにした。 その頃の僕はバイトをしながら小説を書くという自堕落な生活を送っていて、一つでも間違えば小説すら書かない体たらくっぷりを披露していた…

電車に乗っている変わった人たち

現在の僕の通勤時間は2時間。電車には1時間半乗っている。それだけ乗っていると時々変わった人に遭遇する。ある日の電車の中、運良く座れた僕はスマホをいじりながら発車を待っていた。しかし運転間隔を調整しているようでなかなか発車しない。電車が遅延し…

がらくたたちよ怒りをおさえるな

ぼくはいま物凄く怒っているので、怒りを昇華させるために文章を書くことにする。世の中にはアンガーマネジメントという怒りを無理やり抑える方法があるけれど、あれは信用してはいけない。たとえば10の怒りがあったとして、如何なるどんな方法を使用したと…

僕の最近好きな曲とどうでもいい感想

pi ja maはかわいいんだかださいんだかわからないんだけど、一周回っておしゃれなような気がする。僕はけだるさが大好きだから、とにかく彼女はこれからもけだるくいてほしい。Radio GirlのPVを見ると、色んなことがどうでもよくなってくる。 宗教法人マラヤ…

労働から疎外されている

仕事を楽しめないことを「労働から疎外されている」というらしい。僕は仕事に対して「早く終われ」という感情以外の何物も持たないから、きっと疎外されている。 会社から出た瞬間が一番好きだ。自分が戻ってきた感覚がある。しかし今日も帰りの電車は人でぎ…

「死にたい」のかわりに使いたい言葉10選

みんなよく「死にたい」ってボケるじゃないですか。でも死にたいってそんなにおもしろくないというか使われすぎてて味のしないガムみたいになっているんですよね。 だから何か新しいボケを身につけといた方がいいですよ。やっぱり死にたいというボケの面白さ…

僕が見たかもしれないM-1グランプリ2018決勝感想

いろんなブログでM-1グランプリの決勝戦の感想を見たんですけど、どれも決勝メンバーが同じなんですよね。100ブログ見たんですけど、100ブログともそうでした。これだけ感想あるんだから、決勝メンバーが違っていてもいいのに。 みんながみんな同じ決勝メン…

電子書籍派としての意見

電子書籍派として語らせてもらう。電子書籍の良さは数えきれない。まず、持っているときの感覚。専用デバイスから伝わる10gに満たない重さは、「読書をしている」という崇高な気持ちにさせる。 肌触りもいい。硬いフォルムはすべすべとしていて一晩中撫でて…

壁に向かって歌うおじさん

今日、壁に向かって歌っている路上ミュージシャン(おじさん)を見た。これまで数多の路上ミュージシャンを見てきた僕も、通行人に背中を向けながら歌うおじさんを見るのははじめてだった。どうして壁に向かって歌っているのだろう? と僕は疑問に思ったのだ…

梅崎春生「桜島」感想 1946年

桜島作者: 梅崎春生発売日: 2016/02/02メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 最近読んだ小説のなかで一番うまい、という文章をネットでみて読んでみることにした。おもしろかった。戦争中の桜島で、暗号解読をする兵士が主人公。緊迫した状況と、死…

太宰治「人間失格」感想 1948年

中学生くらいのときに一度読んだことがある。だから再読なのかな。改めてみると「人間失格」っていうタイトルはくそいいな。 この主人公、大庭葉蔵に共感できるかできないかで言ったら、僕はできない方になるんだけど、第一の手記の冒頭はすごくわかる。 汽…

田山花袋「蒲団」雑感想 1907年

読まないとして名は聞いたことある小説が多い。「蒲団」なんていうのはその代表格ではないだろうか。蒲団をくんかくんかする変態おっさんの小説として有名である。ぼくも変態おっさんの話だと思っていた。 しかし、読んでみたら違った。 おっさん自体は変態…

【トラウマになりそうなアニメ】Rein Raamat「Põrgu 」(Hell, 1983)感想

Rein Raamatについて エストニアのアニメ監督。1931年生まれ エストニアアニメの父とも呼ばれているそうです。 現在はアニメを作っていないっぽい? Põrguの感想 www.youtube.com「Põrgu」というのはエストニア語で地獄を意味します。 僕もエストニアについ…

【おすすめバンド】Descartes a Kant

メキシコの男女六人バンド「Descartes a Kant(デカルトカント)」 ポップかつサイケデリックで、ダークかつかわいいという反則みたいなバンド。 「The Peter Pan Syndrome」 www.youtube.com 短い時間の中で変調しまくるんだけど、どれもキャッチーで耳に残…

模造クリスタル『黒き淀みのヘドロさん』感想

(it COMICS)" title="黒き淀みのヘドロさん 1 (it COMICS)">黒き淀みのヘドロさん 1 (it COMICS)作者: 模造クリスタル出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス発売日: 2017/03/15メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るヘドロ…

病的にポップでありたい

この言葉が頭を渦巻いている……。 ポップに対する憧れのようなものが芽生えました。 とにかくひたすら明るさを追求したらどうなるんでしょうか。 カートゥンの世界では、死さえ寓話化されるところがある。 悲しみも暗さも、一つの象徴としたい。 1円玉、五円…

映画『神様メール』感想

www.youtube.com 神様メールっていうベルギーの映画を見てきた。 不思議なコメディ。 神様ってだいたいいい風に書かれるんだけど、この映画ではろくでなしのダメオヤジなんだよね。 不快ルールとかいうの作るし、事故や戦争を起こしまくっている。部屋に閉じ…

M-1グランプリ 2016 感想

お笑いのこと何もわかっていないくせに批評家きどりであれこれ書き連ねるやつやります。 友達いないので許してください。 1アキナコント漫才ですよね。アキナの前のスタイルは大喜利風味の漫才で、THE MANZAIでもファイナルに残っている。それなりにオリジナ…

書くことについて②

書くことは誰かと感情を共有したいという気持ちから始まる、と昨日書いた。それの補足としてつらつら文章を書いていて、本当にそうなのだろうかという疑問が頭をもたげた。 日記はどうなのだろう。人は誰にも見せないことを前提として文章を書くことがある。…

書くことについて①

今日は書くことについて書こうと思って、1000文字くらい書いていたのだけど、どうにもまとまらなくて放ってしまった。 結局僕は「作者―文章」の関係性について書きたかったのに、入り組んだ町のようにあらぬ方向へと行ってしまったのだ。 作者―文章―読者 こ…

映画『小さな園の大きな奇跡』感想

www.youtube.com 簡単にあらすじを説明すると、5人しかいない廃園寸前の幼稚園のために、元エリート幼稚園の園長が立ちあがるというお話。 5人の女の子たちの家族は貧しい生活をしていて、転園しようにもお金がなく、満足な教育が受けられない。 テレビで…

かわっていく

神保町で古本市がやっていて僕は毎年それをすごく楽しみにしていたんだけど、今日の今日まで忘れていた。明日は休みだから行ける。でも行かないと思う。 自分の生活のなかでいつから小説や本がウエイトを占めるようになったのだろうか。いまや壁を覆い隠して…

映画の日だから「ライト/オフ」を観てきた。

ホラーってかなり好き嫌いわかれるかもしれないというのを常々思っていた。何を怖いと思うのか人によって異なる。 たとえばゾンビに追いかけられるのを怖いという人がいれば、ゾンビが出そうな瞬間の方が怖いという人もいて、だからこそホラー映画というのは…

さかな

人と仲良くしたいというエネルギーでこの2週間がんばってきたわけだけど笑っちゃうくらい駄目で話し相手が見つかってもすぐに消えちゃうしそもそも相手されないしで結局ブログに戻るしかなかった。 メールアドレス2つ作って一人で送り合えばいいんじゃない…

ウラジーミル・ソローキン『23000』感想 氷三部作3

三部作の最終巻という特色もあって、ネタバレを気にせず内容にガンガン触れていこうと思っています。未読の方は『氷』もしくは『ブロの道』を読んでから、この本を手にとっていただければと思います。 ソローキンは前衛的な小説で知られていますが、このシリ…

ウラジーミル・ソローキン『ブロの道』感想 氷三部作2

ブロの道: 氷三部作1 (氷三部作 1) 作者: ウラジーミル・ソローキン,松下隆志 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 『ブロの道』は前著『氷』とは違って全篇を通して、一人称で語られる主…

福永信「コップとコッペパン」感想

コップとコッペパンとペン作者: 福永信出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (47件) を見る 読者は小説を読むとき何かしらの手がかりを持って読むものだと思う。馴染みやすいところで…

映画『貞子 vs 伽椰子』感想 (MX4D 2D)

www.youtube.com MX4dの感想は「水しぶきがうざい」以上。揺れるけど、それで怖さが+されているかどうかは人によるかな、と思う。揺れないシーンが多いし。揺れるところは映像的にも楽しいけど。超小刻みの振動が多かったかな。 めちゃくちゃ楽しかったです…

上田三四二『花衣』感想 1982年

花衣 (講談社文芸文庫)作者: 上田三四二,古屋健三出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る(私が読んだのは単行本です。引用も単行本のページになります) ネットで見ると、この本は連作短…

ポール・オースター『写字室の旅』感想

写字室の旅作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/01/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る ポール・オースターの『写字室の旅』を読んだ。僕はオースターのファンじゃないから登場人物が○○だと…