2021-01-01から1年間の記事一覧

絵のうしろを見る

布団に入って目を閉じたら 気の抜けた月が浮かんでいられなくなって コンクリートに衝突してバラバラになる姿を想像する。破片が四方に飛び散って 電柱とか自動販売機とか家とかが 傷だらけになって 世界中に絆創膏が貼られて 絆創膏の匂いがする街を歩く。…

おひとりさま

自分のことを救えるのは自分しかいないってことを 最近ようやく理解しはじめてきた。誰かに好かれるとか 誰かの大切な人になるとか 無理なんだ。人と関わることを諦めて 他人に期待しないようにして 一秒一秒生きるようにする。希望は鋭い針だから 裏切られ…

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長い文章を書きたいなと思って、もう一回小説を書くことにした。 「小説を書く」というと、なんかすごく大変な事のように思う人がいるけれど、僕の場合は良い意味でも悪い意味でも呼吸に近い。 海に突き落とされてパニックなりながら見苦しくても酸素を求め…

どうしよ

最近は誰かと電話して どうでもいい話をしないと 一人に押しつぶされて死にそうだ。しかし誰ともわかちあいたくない 誰とももう会いたくないという気持ちもある 誰かに自分が存在するのなら 自分はフィクションのほうが良い漫画のカバーの裏には メタ的な漫…

死にたいときに聴く死なないためのプレイリスト(2022年)

ずいぶん昔に「死にたいときに聴いている曲」を公開しました。これを読んでいる人の 「死にたさ」が少しでも落ち着けば と思ったからです。あのときプレイリストを公開した日から 半分くらい変わったので 僕が聴いている「死にたいときに聴いている曲」を紹…

きりんと夏の交尾

人差し指に傷があることに気づいてから、 ご飯を食べていてもキーボードで文字を打っていても、 ホタルの光のようなじんわりとした痛みが広がっていくのを感じるようになった。自分の体の中に猫や犬といったペットを飼っているような 一人ではないような感覚…

あくびをするように夜をバラバラにする

「死にたい」と検索すると電話番号が出る。 素晴らしいと思う。きっと救われた命もあったのだろう。 でも同時に、死にたいと思う人で電話を求めている人はどのくらいいるのかな?と思う。僕は何か映像が見たいです。 それは死にたいと思った人しか見れない映…

低カロリーの狂い方しか知らない

騒がしい夜に休止符みたいな月が浮かんでいるのを カーテンの隙間から見ていた。一人で部屋にいると誰かの声や話し声を 聞くことが多くなった。幽霊か幻聴かわからないけど 音楽を聞きたくてYouTubeを開くと 音楽に打ち消されないように話し声も大きくなった…

しししす

ぬるい炭酸水を飲んだはずなのに胃が冷たくなる感触を味わっている。 地下鉄の車内は蛍光灯の光がよどんでいて安心する。空調と吊り革。銀色の鉄パイプが血管のようで未来人の死体の中にいる気分になる。 誰かに助けられても、誰かを憎んでも、人間と話して…

弓わたし矢

お風呂場でスキー板を抱えながら 午前3時を待っているマイナンバー代わりに 蝶の羽を持って 人間ごっこ何もあげられないから 美容院に行って YouTubeのロゴみたいな 髪型にしてもらった10階建てのマンションの2階だけど 雨漏りがひどいから 黄色いレインコー…

原型の皿

夜中ですね。こんばんは。生きている間に 本当に自分の好きなものを見つけて朝も、昼も、夜も、眠っている時間も 魔女が生贄をえいやっと放り込むように すべて鍋に放りこんで原型が破壊されるまで混ぜ合わせたい。最近は、無邪気な子供が「飛行機に乗りたい…

C7に「こんばんは」を貼り付ける

白い絵の具をたっぷりつけた筆で思いっきり振り下ろしたような雲だなあ、青空に。 私もあんなに思いっきり存在していられたら、さくらんぼ餅みたいに角ばって小さい悩みが シャカシャカと脳内をかき混ぜないで済むのに。植物の根っこみたいに四方に伸びた髪…

沼の底に小指を突っ込む

なんかYou Tubeのコメント欄でアーティストとかに ○○さんだとか、絶賛しているコメントとか 見ていて気持ち悪いなと思ってしまうんだけど なんで気持ち悪いと思うんだろう。自分の好きな曲でもそういうコメントついていると 気持ち悪いなーって思うんだよね…

斜向いの海

いつもだいたい200文字くらいの文章を書いている。自分の心がどうしようもなくザワザワしているから 子供に絵本を読むように、少しでも良い夢を見てくれるよう 僕は文章を書くんだ。コンビニエンスストアの光が 天使が舞い降りたみたいなエフェクトがかかっ…

ブラックホールに似合う帽子をユニクロで探して

帰る場所をAmazonで探している ポイントがちょうどよく余っているのと 心が文字化けみたいに解読不能だから部屋干しみたいな匂いの音楽を聞いている 今日食べたオムライスが化石みたいな味で 口の中がざらざらしているから普通になりたくないけど 普通になら…

お題に答えます

お題「ペットを紹介します」今日ブログ書こうとしたらさ 記事画面の上にお題がいっぱい並んでいて 開店前の美味しいパン屋さんに並ぶ人くらい並んでいて すごいな、って思ったのしかもさ「もっと見る」ってあるの え、まだあるの と思ってクリックしたらさ …

銃弾の代わりにてんとう虫を詰める

今日は安定している。安定しているというのは何もないってことで 何もないってことは DVDプレイヤーの早送りボタンを押されたような 視界の空気にノイズが走り、人々が尋常じゃないスピードで動く 無音の世界に放り出されたってことです。砂時計の砂がキラキ…

笑顔で明るい人が好きです

誰かと分かり合うなんてことは無理かもしれない。 一人で生きていかないといけないかもしれない。ドトールから出てカフェオレが残った口で そんなことを考えながら横断歩道の向こうを見ると ビルがあって、ビルというのはとても大きいなあ という当たり前の…

身分証の交換

シャボン玉の中に羊がいて キャンディのように病んでいる行き先のない切符は ポケットの中に 錠剤と一緒に眠っているもうだめかもしれないね しぬとかしなないとか いきるとかいきないとか どうでもいいんだけど大切なことと どうでもいいことの違いが もう…

にぎやかな長靴

コンタクトレンズをつけた猫が 飼い主の顔を見て怯えている。自動販売機に心電図をつけて 綾鷹が売り切れるの見ている。道徳の教科書みたいなクイズ番組で 誰も正解しないで司会者が 舌打ちをしているのを聞いている。雪から雨に変わるときの匂いが好きで 頭…

ベンチでもソファーでも椅子でもない

家の近くの空き地でジグソーパズルが3ピースほど地面に突き刺さっていて、どれも赤い模様がプリントされていたから、その地面の上で誰か殺されたんじゃないか、と思ったんだ。 でも実際は誰も殺されていなくて3人いた。3人というのは僕とタケルとジョジョン…

蝋燭も急がしいときは無口になる

外が薄暗いな 記憶も全て面倒くさいな 落ち着いて眠れた日は 数えるほどしかないけどクッキーのように焼いても 甘い匂いはしない 君のふりをしている 人間になれなかったら入口しかなかった 死は救いではない どんな聖人君子でも指を折り曲げる 一定のスピー…

昨日の部屋で線香花火がしおれている

骨がないみたいな歩き方するね と、君に言われたので メルカリで丈夫な骨が売ってないか探した。どこかの空き地を購入し ボロボロの船を置いて その中で生活して 雨粒が地面を叩く音を ずっと聞いていたい。「自分は幸せになる権利がある」というふうに思う…

生き方

昔見た映画家政婦が家の主人の死体を見て、 警察と協力しながら犯人をつきとめるのだけど 最終的に全ては家政婦の妄想でその家に家政婦すらいなくて その女はストーカーで 画面の向こうの観客を見つめて終わる映画テレビで再放送されず DVDもなっておらず 監…

ビルの屋上でおはよう、海底でさようなら

なんか知らないけどDAIGOが炎上しているらしいことを一ヶ月くらい前に小耳に挟んだのだけど、僕がYou Tubeを見ているとDAIGOが英会話を勧めている広告がいまでも沢山出てくる。炎上しているというのに英語学習を人に勧めている場合なんだろうか?と思うのだ…

度重なる色

ノコギリで真っ黒な夜空は分断されて 血液は蛇のように坂道をくだっていくブルーシートで覆い隠された死体のそばには 誰が置いたのか、ひまわりが添えられていて 四角く折りたたまれたメモ用紙には マジックで「鍋の蓋が気がかりです」と書かれている。 掘り…

9/17

電柱が傾いている 神がひざまずいた角度だ 赤い羽根を燃やしたリンゴは砂になった 退屈に耐えきれなくて 子供が病気になる人は生まれる前が幽霊で 死んだら数式になるドリンクバーは火薬の味 首に手をあてた 封筒が破れている月をポケットに メイリオのフォ…

砂糖の抜け殻

ヨーヨーみたいに宙に浮かび 物凄いスピードでぐるぐると 頭がシェイクされて偏差値35の問題も溶けないくらい 脳みそは凝り固まった鳥の骨の欠片みたいだって 君が赤ペン先生みたいに指摘するその横顔がサーターアンダーギーの表面みたいに 太陽に灼かれて焦…

千年後の風景画

フリスクの雨の影響でリニアモーターカーが遅れて サラリーマンのアイコンが 906号専用オープンチャットで 駅員にtoをつけて「さっさと動かせ」とキレている投稿に badのマークが桜の花びらが咲くように一斉につきはじめて 音量MAXにしていた僕のタブレット…

斜めに書かれた住所

地面に落ちてひっくり返ったセミが 足を動かして鳴き続けようとしているのは 最後の瞬間まで生き続けようと抗っているのかそれとも 「おはよう」とか「こんにちは」とか「こんばんは」とか 人に会うと自動で発せられる言葉のような ただの習慣や癖のようなも…