おひとりさま

自分のことを救えるのは自分しかいないってことを
最近ようやく理解しはじめてきた。

誰かに好かれるとか
誰かの大切な人になるとか
無理なんだ。

人と関わることを諦めて
他人に期待しないようにして
一秒一秒生きるようにする。

希望は鋭い針だから
裏切られれば
風船に穴が空くように
簡単に感情が爆発してしまう。

何かに期待するっていうのは
いつだって分の悪い賭けで
負けることが決まっている試合みたいなもんだ。

チップは限られていて
私はすべての賭けで負けて
チップを全て無くした。

あとは観測者として、この世界のノイズとして
出来る限り他者とのふれあいが
普通に見えるように見せかけて
最後まで生きないと。

人の命が遺伝子の乗り物なら
私という分岐点は終着駅だから
終着駅は急がなくて良いんだ。

嫌なことも沢山あるけど
その分、自分の好きなものを
許す限り自分に与えること
「この世界は素晴らしいものだ」と
自分で自分をあざむくこと

自分しか自分を救えない
自分しか自分を愛せない
自分を喜ばすために
この世界の好きなものを
この世界の良いものを
沢山見つけて

終着駅のベンチに座り
ベタ塗りされた青空を見上げながら
白い雲に吸い寄せられるように死ぬ。