梅崎春生「桜島」感想 1946年

桜島作者: 梅崎春生発売日: 2016/02/02メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 最近読んだ小説のなかで一番うまい、という文章をネットでみて読んでみることにした。おもしろかった。戦争中の桜島で、暗号解読をする兵士が主人公。緊迫した状況と、死…

太宰治「人間失格」感想 1948年

中学生くらいのときに一度読んだことがある。だから再読なのかな。改めてみると「人間失格」っていうタイトルはくそいいな。 この主人公、大庭葉蔵に共感できるかできないかで言ったら、僕はできない方になるんだけど、第一の手記の冒頭はすごくわかる。 汽…

田山花袋「蒲団」雑感想 1907年

読まないとして名は聞いたことある小説が多い。「蒲団」なんていうのはその代表格ではないだろうか。蒲団をくんかくんかする変態おっさんの小説として有名である。ぼくも変態おっさんの話だと思っていた。 しかし、読んでみたら違った。 おっさん自体は変態…

【トラウマになりそうなアニメ】Rein Raamat「Põrgu 」(Hell, 1983)感想

Rein Raamatについて エストニアのアニメ監督。1931年生まれ エストニアアニメの父とも呼ばれているそうです。 現在はアニメを作っていないっぽい? Põrguの感想 www.youtube.com「Põrgu」というのはエストニア語で地獄を意味します。 僕もエストニアについ…

【おすすめバンド】Descartes a Kant

メキシコの男女六人バンド「Descartes a Kant(デカルトカント)」 ポップかつサイケデリックで、ダークかつかわいいという反則みたいなバンド。 「The Peter Pan Syndrome」 www.youtube.com 短い時間の中で変調しまくるんだけど、どれもキャッチーで耳に残…

模造クリスタル『黒き淀みのヘドロさん』感想

(it COMICS)" title="黒き淀みのヘドロさん 1 (it COMICS)">黒き淀みのヘドロさん 1 (it COMICS)作者: 模造クリスタル出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス発売日: 2017/03/15メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るヘドロ…

病的にポップでありたい

この言葉が頭を渦巻いている……。 ポップに対する憧れのようなものが芽生えました。 とにかくひたすら明るさを追求したらどうなるんでしょうか。 カートゥンの世界では、死さえ寓話化されるところがある。 悲しみも暗さも、一つの象徴としたい。 1円玉、五円…

好きなものを忘れる

人と話していると趣味を聞かれることが多い。だいたい「小説が好きです」というふうに答えるのだけど、そうすると「好きな作家はいますか?」というふうに問答が続く。 好きな作品を言えばこと足りるのだが、なぜか私の頭は働かない。大量にあるはずなのに何…

映画『神様メール』感想

www.youtube.com 神様メールっていうベルギーの映画を見てきた。 不思議なコメディ。 神様ってだいたいいい風に書かれるんだけど、この映画ではろくでなしのダメオヤジなんだよね。 不快ルールとかいうの作るし、事故や戦争を起こしまくっている。部屋に閉じ…

M-1グランプリ 2016 感想

お笑いのこと何もわかっていないくせに批評家きどりであれこれ書き連ねるやつやります。 友達いないので許してください。 1アキナコント漫才ですよね。アキナの前のスタイルは大喜利風味の漫才で、THE MANZAIでもファイナルに残っている。それなりにオリジナ…

書くことについて②

書くことは誰かと感情を共有したいという気持ちから始まる、と昨日書いた。それの補足としてつらつら文章を書いていて、本当にそうなのだろうかという疑問が頭をもたげた。 日記はどうなのだろう。人は誰にも見せないことを前提として文章を書くことがある。…

書くことについて①

今日は書くことについて書こうと思って、1000文字くらい書いていたのだけど、どうにもまとまらなくて放ってしまった。 結局僕は「作者―文章」の関係性について書きたかったのに、入り組んだ町のようにあらぬ方向へと行ってしまったのだ。 作者―文章―読者 こ…

映画『小さな園の大きな奇跡』感想

www.youtube.com 簡単にあらすじを説明すると、5人しかいない廃園寸前の幼稚園のために、元エリート幼稚園の園長が立ちあがるというお話。 5人の女の子たちの家族は貧しい生活をしていて、転園しようにもお金がなく、満足な教育が受けられない。 テレビで…

かわっていく

神保町で古本市がやっていて僕は毎年それをすごく楽しみにしていたんだけど、今日の今日まで忘れていた。明日は休みだから行ける。でも行かないと思う。 自分の生活のなかでいつから小説や本がウエイトを占めるようになったのだろうか。いまや壁を覆い隠して…

映画の日だから「ライト/オフ」を観てきた。

ホラーってかなり好き嫌いわかれるかもしれないというのを常々思っていた。何を怖いと思うのか人によって異なる。 たとえばゾンビに追いかけられるのを怖いという人がいれば、ゾンビが出そうな瞬間の方が怖いという人もいて、だからこそホラー映画というのは…

さかな

人と仲良くしたいというエネルギーでこの2週間がんばってきたわけだけど笑っちゃうくらい駄目で話し相手が見つかってもすぐに消えちゃうしそもそも相手されないしで結局ブログに戻るしかなかった。 メールアドレス2つ作って一人で送り合えばいいんじゃない…

ウラジーミル・ソローキン『23000』感想 氷三部作3

三部作の最終巻という特色もあって、ネタバレを気にせず内容にガンガン触れていこうと思っています。未読の方は『氷』もしくは『ブロの道』を読んでから、この本を手にとっていただければと思います。 ソローキンは前衛的な小説で知られていますが、このシリ…

ウラジーミル・ソローキン『ブロの道』感想 氷三部作2

ブロの道: 氷三部作1 (氷三部作 1) 作者: ウラジーミル・ソローキン,松下隆志 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 『ブロの道』は前著『氷』とは違って全篇を通して、一人称で語られる主…

福永信「コップとコッペパン」感想

コップとコッペパンとペン作者: 福永信出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (47件) を見る 読者は小説を読むとき何かしらの手がかりを持って読むものだと思う。馴染みやすいところで…

映画『貞子 vs 伽椰子』感想 (MX4D 2D)

www.youtube.com MX4dの感想は「水しぶきがうざい」以上。揺れるけど、それで怖さが+されているかどうかは人によるかな、と思う。揺れないシーンが多いし。揺れるところは映像的にも楽しいけど。超小刻みの振動が多かったかな。 めちゃくちゃ楽しかったです…

上田三四二『花衣』感想 1982年

花衣 (講談社文芸文庫)作者: 上田三四二,古屋健三出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る(私が読んだのは単行本です。引用も単行本のページになります) ネットで見ると、この本は連作短…

ポール・オースター『写字室の旅』感想

写字室の旅作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/01/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る ポール・オースターの『写字室の旅』を読んだ。僕はオースターのファンじゃないから登場人物が○○だと…

永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』感想

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ作者: 永田カビ出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2016/06/17メディア: コミックこの商品を含むブログ (1件) を見る タイトルから風俗レポみたいな印象を与えてしまうけど、確かに風俗レポではあるのだけど、そ…

キャスリン・アシェンバーグ 鎌田彷月訳『不潔の歴史』感想

図説 不潔の歴史作者: キャスリンアシェンバーグ,鎌田彷月出版社/メーカー: 原書房発売日: 2008/09/22メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 47回この商品を含むブログ (15件) を見る もし誰かから「一週間も風呂に入っていない」と聞いたら、その人のことを…

平松隆円『黒髪と美女の日本史』感想

黒髪と美女の日本史作者: 平松隆円出版社/メーカー: 水曜社発売日: 2012/11/28メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1回この商品を含むブログを見る 日本では黒髪信仰みたいなのありますよね。アニメとかだと黒髪ロングのヒロインは絶対に一人くらい…

マイケル・コーバリス,鍛原多恵子訳『意識と無意識のあいだ』感想

意識と無意識のあいだ 「ぼんやり」したとき脳で起きていること (ブルーバックス)作者: マイケル・コーバリス,鍛原多惠子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/12/18メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る この本には、「ぼんやり」したとき脳で…

多和田葉子「犬婿入り」感想 1992年

犬婿入り (講談社文庫)作者: 多和田葉子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/10/15メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (60件) を見る 「犬婿入り」を読んで、読者がつまずくとしたら最初の二ページだと思う。一文が長く、視線が安…

「むにゃすぴー【私家版】」ナマエミョウジ 感想

www.pixiv.netこれすごく好きです。どういう漫画なのかはリンク先のやつを見てください。 不思議かわいい世界観ですよね。オチもあるんだかないんだかよくわからない。だけどなんだか癖になる。 「階段もエレベーター使うんだね…」で笑っちゃった。リンク先…

富岡多恵子「芻狗」感想 1974年

波うつ土地・芻狗 (講談社文芸文庫)作者: 富岡多恵子,加藤典洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 1988/07/04メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (12件) を見る 木下古栗のインタビューを読んでいたら、富岡多恵子の「芻狗」を紹介していて、読…

ホラーゲーム「夜廻」感想 psvita

ホラーゲームというのはなかなか市場に出てこない。そして、たいていゾンビが襲ってくるのを銃で撃つようなものばかりだ。そんななかで夜廻は雰囲気が異なる。グロテスクとはほど遠い、かわいらしいグラフィックからもわかるだろう。このゲームの主人公であ…

映画『デッドプール』感想(吹き替え2D、MX4D)

www.youtube.com MX4Dの感想 MX4D自体は3回目です。マッドマックス→スター・ウォーズ→デッドプールになります。 一回の揺れ具合だとデッドプールが一番大きく感じました。ただ、それほどまでアクションシーンが多いというわけではないので、動かな…

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