簡単にあらすじを説明すると、5人しかいない廃園寸前の幼稚園のために、元エリート幼稚園の園長が立ちあがるというお話。
5人の女の子たちの家族は貧しい生活をしていて、転園しようにもお金がなく、満足な教育が受けられない。
テレビでその幼稚園のことを知ったルイは、4500ドル(約6万円くらい)という薄給にも関わらず園長になることを決意する。
映画では、貧しい村人たちの生活と、満足に教育が受けられない子どもたちの実態が描かれつつ、園長ルイと子どもたち(とその家族)との心温まるふれあいがメインとなっている。
ストーリーの骨格だけを追うと、よくある感動ものなのかもしれない。
特に目新しいシナリオではないし、ところどころご都合主義っぽいところがあったり、ギロチンとか微妙なシーンもある。
映画の出来だけを見ると満点とは言えないかもしれない。
だけど、観終わったあとに心の底から良いものをみたなという感覚になれる映画だった。とても魅力的でやさしい。
なんといっても役者の演技がすごくいい。
ぼくには演技の上手い下手というのはわからないんだけど、画面越しに伝わってくるものはあると思う。
ざっくばらんな言い方をするとその人の持っている雰囲気になるんだろうか。
5人の女の子はほんとに自然体だった。ぎこちなさも含めて、子役にありがちな過剰な演技が感じられなかった。
素なんじゃないかなとさえ思った。
この映画の登場人物たちは、役であるのを置いといても一人一人の魅力というかその人らしさがすごく出てた。
だから感動的なシナリオが余計に胸に染みた。
エンドロール中に、収録現場の映像が流れた。大人も子役も含めてみんなめちゃくちゃ楽しそうにしているのを見て、ああと思った。
監督がすごいんだなって。映画の監督の役目って、映画を取り仕切るっていうイメージしかなかったんだけど、役者の力を引き出すっていうのもあるんだなと改めて思った。
忘れがたいすごくいい映画でした。